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国際基督教大学高等学校

私と英語③

私の通っていた公立中は当時少々荒れていて、授業崩壊気味だったところもあり、学びとしての環境や質が保たれているとはお世辞にも言えない状況でした。そこで、塾通いを始めました。塾仲間にも恵まれ、高校受験という明確なゴールがあったおかげでモチベーションを保つことができ、英語四技能のうちの「読む」分野、特に「文法」「語彙」はかなりのインプットがされました。受験のお陰で基礎的な力がついたと思います。

プロフィールに書いてある通り、東京・小金井市にあるICU High School(国際基督教大学高校)に進学ました。1学年240人のうち、実に3分の2が帰国生、残りの3分の1が私のような一般生という少々特殊な環境です。

同じ年代の日本人が英語を母国語のように流暢に操る様子を目撃し、入学式の日から衝撃を受けました。テニス部に体験入部をしたものの、英語で話す帰国生の多さにすっかり圧倒され、速攻でバドミントン部に変えたほどです。

英語クラスはレベルによって4段階に分かれました。学校内で行われたPlacement Test(クラス分けテスト)によって実力が測られたのですが、そのテストの問題自体、私には何を問うものかすらわからないものだらけでした。(今から思うと、どういうテストが使用されていたのか興味あります)当然のことながら、配置されたのは1番下のクラス。(一般生はこれが普通なのですが)

これまで曲がりなりにも毎日のようにラジオで英語を学習し、中2の冬には親に頼み込んで沖縄米軍基地のホームステイまで経験したというちっぽけなプライドが、ガラガラと音を立てて崩れ去りました。(帰国生と一般生とでは、英語のインプットとアウトプットの量が比較にならないほど違うので、当然です!)

特殊な学校名なので、「すごく英語できるんでしょう?」やら、「特別な英語教育を受けたんでしょう?」と聞かれることがありますが、主に一般生が在籍する英語クラスに関しては、文部省検定の教科書が使用されていたので、普通の学校とあまり変わりはないと思います。

学校生活において、周りの帰国生たちから受ける異国の雰囲気に憧れを抱き、いつか私も海外で勉強してみたいという思いを強くしたのは、ひとえにこの高校に進学したからです。

後年私が娘をバイリンガル教育させるにあたって、ここで出会った多様な帰国生たちの存在が、大いなる気づきと学びをもたらしました。高校生の時にもっと交流していれば、と後悔しているほどです。また、一般生との間では、勝手ながら見えない絆を持っている感覚でおりました。

高校を卒業して30年余りの現在。私の娘は学校は違うものの、一般生9割、帰国生1割の学校で帰国生として在籍しています。私が昔圧倒された帰国生と同様、帰国生同士では超高速の英語で話すのが普通なようです。

私個人の感覚ですが、一般生がマジョリティの学校、帰国生がマジョリティの学校とでは微妙に違うと感じるところがあります。この一般生×帰国生のケミストリーの配合というのはなかなか面白いものだなと、思っているところです。

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