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NHK言葉アップ

私と英語②

▽英語習得にかかる費用、▽教育の地域格差、こうした障害をやすやすと乗り越え、長年にわたって皆さんから愛される偉大なコンテンツ、それはNHKのラジオ講座を置いて他にないと思います。

地域の公立中に入学後、あまり学校が楽しくなく、それまで好きだったピアノもやる気がなくなり帰宅部だった私にとって、一番楽しみだったのが、ラジオから流れてくる英語の語学番組でした。

いつもの優しい先生。綺麗な北米発音の、男性と女性のネイティブ出演者。慣れてきたら第二の家族のように思えるほど、大好きな15分となりました。当時ちょっと鬱屈していた私にとって、英語は広い世界へ連れていってくれる魔法の杖のような存在でした。

そんな中、学校主催の文化系課外活動に「海外文通クラブ」なるものを見つけ、迷わず門を叩きました。海の向こうの同年代と手紙のやりとりができるなんて、なんて心躍ることでしょう。

一人につきひとつの連絡先が配られたところ、私にあてがわれたのは、ベルリンの壁の向こう側、東ドイツの年上の女性でした。

お互いに拙い英語で学校や日々の暮らしのことを書き連ねた記憶があります。いかにも当時の東側世界の製品だと思わせる、ちょっとざらついた質のエアメール封筒に、ドイツ語の雑誌の切り抜きが入っていたこともありました。

英語圏の国と文通する気満々で入ったクラブでしたが、ネイティブの子と文通していたら、英語レベルが違いすぎて全く続かなかったことと思います。

ノンネイティブ同士が英語でやりとりをする、世界共通語としての英語の価値を身をもって経験した出来事でもありました。

ちなみに、NHKに入局後語学番組のスタッフと仕事をすることはありませんでしたが、同じくラジオ第二放送のテキスト番組に出たことがあります。それは「NHKアナウンサーとともに ことば力アップ」という番組。過去に3回出演したことがありますが、15分のコンテンツの原稿を書き、収録するのもなかなか大変です。

私が入局した当時でさえ、カセットテープを巨大にしたようなオープンリールでラジオ音声を収録していたのですから、1980年代のラジオの収録番組、誰かがミスなどした時の編集作業は大変だったことと思います。

写真は、私が近年に出演した「ことば力アップ」の表紙と、担当した読み聞かせの回のテキストです。

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