英語レベルを表現する段階として、「日常会話レベル」の上に「ビジネスレベル」と書いてあるものをよく目にします。
実はこれ逆で、「ビジネスレベル」より「日常会話レベル」の方がはるかに難しいと私は思っています。
なぜなら、ビジネスの現場の会話は内容がだいたい決まっている上に、ある程度の型があるからです。それに対して日常会話は、話題は無限大なうえ、カジュアルな表現やイディオムが頻繁に使われます。これらは直訳では理解しづらく、文化や言語の背景知識が必要です。

更に、日常会話はスピーキングスピードが速く、スラングや短縮形が頻繁に使われます。ビジネス英語では、よりゆっくりと話す傾向があり、正式な表現が一般的です。

このように、そのビジネス領域における前提知識がある状態でビジネス英語を話す場合は、必要以上におそれおののく必要はありません。①専門分野の単語と②ある程度の型、③中学英文法さえしっかり準備すれば良好なコミュニケーションは十分取れます。

おそらく、英語レベルを問う質問として「日常会話レベル」と書いてあるものの真意は「サバイバルレベル」と思われます。サバイバルとは、食事の注文ができる、タクシーで行き先を告げる、といった主に旅行で使う英会話のことです。

「日常会話レベル」ができる人は、相当の上級者であることをお伝えしておきたいです。