
「声かけ」から関係悪化は避けたい、心掛けるべきは「相手の心理的安全性の確保」
今回取り上げるのは、「『叱り口調の声かけ』は子に伝わらず、親子で疲れ果てる原因に」です。
多くの方の環境が変わる新年度。大人も子どもも新しい人間関係や初めてのことなどに圧倒され、息も絶え絶えの新生活だというご家庭も少なくないのではないでしょうか?
我が家の高校2年生の娘も、目にものもらいができたり、胃腸の具合がおかしかったりと、この時期に軽い不調が出ることはしばしばです。今は自分でクリニックに行くこともできる年齢なので、親として大変なことはほとんどありませんが、小さい頃はもうドタバタとずっと走り続けていた感覚だったのを思い出します。
親の余裕がないと、子どもは敏感にそれを察知するばかりか、こちらに注意を向けて欲しいがために、かえって手がかかる行動をしてしまうこともあります。
記事の中で、子どもの行動に「気づいてますよ」という情報を伝える方法として、「今日は早いね」「まだ6時半だね」などと、見たままの情報を伝えることが有効だとあります。親は子どものジャッジをせずに、子どもの行動を実況中継する感覚と言ってもいいと思います。
ここで思い出すのは、アナウンサーのキャリアに加えて、パラレルキャリアとしておととし英語コーチの養成講座を受講した時、コーチは「無色透明の存在で、安心安全な空間を作るよう心掛けるべし」という教えです。
そこで得た学びとして、親子をはじめとした人間関係全般に共通して大事にしたいのは「心理的安全性の確保」ではないかと考えます。
親子の場合、どうしても親から子への一方的な声かけが多くなりがちで、子どもに対して良かれと思っていることがかえって子どもを追いつめてしまっていることも少なくないと思います。子どもにとって、自分のありのままの姿を受け入れてもらえていると感じられる状態「心理的安全性」の保障はとても大事で、これが確保されていないと、「自分は受け入れてもらえない」と学んでしまい、親子関係がこじれてしまいかねません。
子どもがぐずったり、癇癪を起したりするのは、自分をさらけ出すことができている証拠とも言えます。目の前のネガティブシーンにイライラする気持ちは本当に良くわかりますが、そんな時こそ、「子どもが自分に気持ちを伝えてくれている」「この子にとって安心できる場を提供できている」んだと、一歩引いたところから、物事を客観視するくらいの心構えがちょうどよいのではないかと思いました。