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シンガポールの離島、ウビン島の風景

凝り固まった「べき」を捨てて、柔軟な心になることが人生の潤滑油に

今回取り上げた記事

周囲にイライラ…原因は? 「静かな人」ジル・チャン直伝の処方箋

「こうしなければ」と突き詰めるのは短所? それとも長所? 「1秒間の捉え方次第」が意味するものは

思いやりや共感力といった心の知能指数、EQの高さが大切なスキルとして昨今求められるようになっています。多くの高EQリーダーを取材してきた、台湾在住のノンフィクションライター、近藤弥生子さんがEQについて猛烈に意識した体験をつづったのが今回の記事です。記事の表題の“「静かな人」ジル・チャン直伝の処方箋”というのは、その近藤さん自身が高EQと感じている、7言語に翻訳された話題の書籍『「静かな人」の戦略書』の著者、台湾人のジル・チャンさんに聞くお悩み相談のコーナーであることを意味します。近藤さんがチャンさんに「低EQ」の人物像についてインタビューした内容も掲載された、大変考えさせられる記事でした。

近藤さんが、台湾の離島に子連れで家族旅行に行かれた時のこと。迎えの船は、予定より1時間遅れ、昼食のレストランも準備ができておらず外で30分近く待たされ、シュノーケリングではレンタルの流れがめちゃくちゃ、などハプニングの連続だったそうで、私自身が同じ状況にいたとしたら100パーセントイライラしていたことと思います。近藤さんによると、他の台湾人たちは誰1人としてイライラしている様子はなかったとのことです。

ここで、2011年から3年住んでいた同じく南国のシンガポールのことを思い出しました。シンガポールに限らず外国あるあるだと思うのですが、配達物が予定の時間に届かない、やっと来たと思ったら違うものが入っていた、など様々な経験をしました。シンガポールでの学びとして、「自分でコントロールできないものはイライラしても仕方がない」というものがあります。

昼時の商店で、店番が立ったまま丼をかきこみながら接客をしていたり、スーパーの従業員が隣のレジ同士、大声で私語を続けていたりと、顧客サービスが世界一シビアだという言われる日本から来た身からすると、驚く光景を目にしたものです。

シンガポールも高価格帯の商品やサービスを提供しているところではその限りではありませんが、いかなる場合でも「客の前で飲食をしたり、私語を続けたりするのは厳禁である」というのはもしかしたら、日本社会の抱える「思い込み」なのかもしれません。

「~すべき」という自分の考えに固執しすぎると、意見の違いや立場の違いを理解することが困難になってしまいます。今回低EQの人の特徴として挙げられているのが、他にもたくさん方法はあるのに『こうしなければならない』いう思いが強く、そちらにばかり向かってしまう人です。裏を返すと、物事を突き詰めて追求できるという長所ではあるものの、結局その思い込みによって、どんどん苦しくなってしまう可能性があります。

チャンさんによると、「1秒という短い時間でも、捉え方を変えればよい」とのことです。ついつい完璧主義を相手にも自分にも求めすぎて、結局自分の首を絞めるようなことにならないよう、日々を柔軟に過ごしていく必要性を改めて感じました。

シンガポールの離島、ウビン島の風景

シンガポールの離島、ウビン島の風景。チャンギ ポイント フェリーターミナルよりわずか10分。

10年以上前の私の写真

現在は高校2年生、当時6歳だった娘が撮ってくれた10年以上前の私の写真。

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