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ラジオのスタジオにて、原さんの開発した5種の食器とともに。

同質性の高い組織からの脱却により、新たな何かが生まれる。その好例とは?

今回取り上げた記事

パート女性が始めた改革 ベテランを巻き込む老舗傘メーカーの挑戦

経営不振、後継者不足、属人的な仕事…さまざまな課題に女性たちのアイデアと中小企業ならではのスピード感で立ち向かう 小宮商店 伊藤裕子

今回取り上げるのは、「パート女性が始めた改革 ベテランを巻き込む老舗傘メーカーの挑戦」です。

ベテラン男性社員が多数派の老舗中小企業で最初はパート経理担当者として働き始め、現在は経営企画室長をお勤めの伊藤裕子さんを中心とした社内改革についての記事です。読了後に痛快な爽快感がありました。

とにかく伊藤さんは、フットワークが軽く、素晴らしいコミュニケ―ション能力をお持ちの上、皆にとってWin Winになるよう、とにかく何でも試してみるという前向きな姿勢を欠かしません。

この伊藤さんの記事を読んで改めて感じたのは、同質性の高い組織はどうしても現状維持の力学が働きがちで、イノベーションが生まれにくいということです。風通しを良くするためにも、多様性があり、みんなが意見を言いやすい組織にすることがいかに大事なことかを実感させられる内容でした。

非同質的なところから生まれたイノベーションとして、私の友人の例を思い起こしました。その友人とは、農業に携わりたいと17年に渡るテレビディレクターの仕事を辞して家族4人で北海道美瑛町へ移住した原直子さんです。原さんは、働いていた農場でトマトの茎や葉などが大量に捨てられている光景を目にし、「何かに生まれ変わらせることはきないか」と考えました。

地元育ち、もしくは代々農家というような環境にいる方たちだと「もったいないのは確かだが、仕方がないことだ」と受け止めてしまいがちかもしれませんが、原さんは大きな一歩を踏み出しました。たった一人で株式会社AgReturnという会社を起業。トマトの茎や葉を乾燥し粉砕させ、それらを原料に使った「土にかえる容器」と「トマト和紙」を開発するまで至ったのです。

起業初期は、自宅でおろし金を使ってトマトの葉や茎を細かくし、家庭用の電子レンジで水分を飛ばす地道な作業を行ったり、自身のアイデアを具現化してくれそうな会社に何通も突撃メールを出したりしたそうです。そうした試行錯誤を経て、農産物加工会社が葉や茎を粉末状に、プラスチック加工会社が食器に加工するという道筋を確立しました。

今後は、アスパラガスを出荷時に切り落とす部分を使った野菜塩などを開発中だとのこと。前向きで、明るく、しなやかな彼女の挑戦を心より応援しています。

隔週でパーソナリティを務めているラジオ番組「身近なことからSDGs」で7月29日から8月4日の放送週は、原さんをゲストにお迎えしています。スマートフォンやパソコンなどで聞けるアプリ、radikoプレミアムより1週間タイムフリーで配信されます。ぜひお聴きください。

ラジオのスタジオにて、原さんの開発した5種の食器とともに。

ラジオのスタジオにて、原さんの開発した5種の食器とともに。

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